平安時代からの伝統ある貝合わせを、

日本画と同じ技法で一筆一筆丁寧に描きます。

”日本の伝統的な美術を、

もっと身近な生活に取り入れていけたら ”

という想いから、制作を始めました。

貝合わせの歴史

　本来の貝を使用した遊びは、平安貴族が蛤の形や大きさ、色合いなどを競いながら歌を詠み、その出来を競う遊びでした。

　平安時代末期から鎌倉時代ごろになると、内側に美しく絵を描いた蛤の貝殻の左右を分けて複数混ぜ、その中から対になるものを見つける遊びが流行するようになります。

　後には、和歌の上の句と下の句が書かれた「歌貝」が登場し、これがカルタの起源になったとされています。また、ただ獲得した貝殻の枚数を競うだけでなく、描かれた絵や和歌を愛で、幾度も間違えることは恥であるとされ、おのずと子女の修身の具ともなりました。

　室町時代以降になると、対になる貝を違えないところから、夫婦和合の象徴として、美しい貝桶や装飾された貝が公家や大名家の嫁入り道具とされました。

　大名家の姫の婚礼調度の中で最も重要な意味を持ち、婚礼行列の際には先頭で運ばれました。

婚礼行列が婚家に到着すると、まず初めに貝桶を新婦側から婚家側に引き渡す｢貝桶渡し｣の儀式が明治維新前まで続いたといいます。

現在でも人前式のセレモニー「貝合わせの儀」に使用されるなど、

時代を超えて受け継がれてきました。

貝合わせ－雛－

雛祭りをテーマに、左右に男雛と女雛を描きます。

一つ一つ手書きのため、全く同じものは描けません。お顔やお着物の柄も少しずつ異なります。

桃の節句の際にお飾りいただけることはもちろん、

貝合わせが古くから婚礼の儀に用いられてきた背景もあり、ご婚礼の際にリングピローとしてお使いいただいた事例もございます。

貝合わせ－舞－　

貝合わせ-舞-は、迦陵頻伽(かりょうびんが)という舞楽の演目をモチーフに描いています。

迦陵頻伽は、仏教に伝わる想像上の鳥で、美しい声で歌うとされています。

平安時代には宮廷や寺院で盛んに舞楽が演じられ、貴族たちはその美しさを楽しみました。

貝合わせ-源氏-は　源氏物語絵巻の図像を参考に描いています。古色仕上げにすることで、時の流れを表現し、より深みのある仕上がりにしています。